パナソニック(松下電器)最後?のBCLラジオで、「プロシード」の最終機です。既に生産は終了しています。本体、外箱、説明書の何処にもプロシードとプリントされていませんが、本機がまだ現役だった頃のカタログには「プロシードB11」という表記がありました。私が持っている機体は台湾製ですが、全てがそうであったかはわかりません。短波9バンド、長波、中波、FM の合計12バンドで、FM はステレオ受信(イヤホン装着時のみ)が可能です。短波は放送バンドのみのバンドスプレッド方式で各周波数のレンジは、SW1:3.9〜4.0 MHz SW2:5.95〜6.2 MHz SW3:7.1〜7.3 MHz SW4:9.5〜9.9 MHz SW5:11.65〜12.05 MHz SW6:13.6〜13.8 MHz SW7:15.1〜15.6 MHz SW8:17.55〜17.9 MHz SW9:21.45〜21.75 MHz (カタログ仕様)となります。余分な周波数は一切なく、まさに放送バンドのみに徹した設計なので、その分各バンドの拡大率?が大きく、重くもなく軽くもない選局ダイアルのフィーリングとも相俟って非常に扱いやすいラジオになっています。感度はさすがにICF-SW7600GRやDE1103までには達していませんが、廉価な中華ラジオとも異なり、実用上は全く文句のないものです。単純なスーパーラジオなので内部雑音も少なくクリアな音を聴かせてくれます。ただ、イメージが充分に抑えられていない影響か、放送バンド内の短波放送にモールス通信が被ったりすることがあります。スピーカーは少し甲高い音ですが聴いていて苦痛になるようなことはありません。スイッチ類の感触も良く、2段階のトーンコントロールスイッチ、FMステレオとモノーラルの切換スイッチも装備されており、現行品であるソニーのICF-SW11ともよく似ています。発売当時は6000円くらいの価格でしたので、最近の2000円程度で売られている廉価中華ラジオに比べるとコストパフォーマンスがあまり良くないように感じますが、細部の作り込みや操作感などを考慮すれば決して高くはないです。ラジオニッケイや海外の日本語放送(RAEを除く)を主に聴くという目的なら、本機で充分ではないかと思います。